あなたは1日24時間ということを理解しているか
タイトル
自分の時間の感想 1日24時間でどう生きるか
作者:アーノルド・ベネット
訳:渡辺昇一
私がこの本から学んだこと
- 怠惰な生活を改める
- 1日24時間であることを理解する
- ただ始める
- 内なる1日を作る
- 自分を見つめる
- 物知り顔にならない
- 向上の芽を大切に育てる
朝の1時間は夜の2時間以上の価値がある
人間の精力を、日常の仕事に全て吸い取られてはならないのである。 もしも、それができないほどに疲れていると言うのであれば、 それは生活のバランスが悪いのであって是正すべきだ。
そのために、日常の仕事で精力を使う前に仕事以外に使うのである。
「朝早く起きる」ことで時間を作る。 睡眠はある程度は習慣の問題であり、怠惰な生活習慣に問題がある。 いつもの1時間から2時間早起きをして、仕事以外の時間をとること。 朝の1時間は夜の2時間に匹敵する 睡眠不足になるようであれば、夜に早く寝ること。
この時、早起きをして、自分にとって大切なことをする時に、 他人の協力をえなければできないと言う考えは不甲斐ない考えであるということを理解すること。 自分の怠惰を他人のせいにしてはいけない。
時間があれば金は稼げるが、金があっても時間は稼げない
1日の始まりには誰でも平等に24時間が与えられる。 あなたはすでに持っているだけの時間を持っているのである。 この24時間は誰からも奪われることはない。 ただ、過ぎ去っていく現在があるだけだ。
人生の全ては24時間の利用の仕方次第で決まる
「もう少し時間ができれば、あれを変えてみよう」 もっと時間ができるわけなどない。我々には今あるだけの時間しかなく、それはいつだって変わらないのである。
人々は時間に対して、焦り、期待、願望、欲望が原因になって不快な思いをしている。
仕事以外に何かをしなければという固定観念があり、そこから不満や焦りが生じる。 仕事以外に何かをやりたいという欲求は、ある程度、精神的に成熟した人たちに共通する。 この欲求を満たすべく努力していたいと、「何かを始めたいのに、始めていない」という焦りの感情が生じ、いつまでも心の平安がえられない。
苦労が多く報われることが少なくても不満を感じないだけの覚悟が必要。 これがないなら「何かをしなければ」と今までの通り惰眠を貪っていればいい。 覚悟ができたならただ始めればいい 来年の時間や明日の時間は手付かずでとっておかれるのだ。 その気になれば、過去は関係なくこれからを変えることができる。 来週や明日を待つ必要はない。今日から始めればいいのだ。
初めから大きな変化を求めない
多くを求めれば、その次にはさらに多くを求めるようになり、そのうち急に疲れが出て意気込みも萎んでしまう。 失敗からは何も得ることはできない。つまらない成功でおおいに結構なのである。
内なる1日を作る
平日の勤務時間をあたかも「1日」であると考え、それ以外の時間は「1日」の単なるエピローグやプロローグであると考えていないか。 1日の3分の2の時間を、単に、3分の1を占める勤務時間に付随している時間にすぎないとしてしまうなら、充実した1日など過ごせるはずがない。
1日の中に労働時間を引いたもう一つの1日を作る。 この内なる1日は全ての物から解放されている。内なる1日を有意義に過ごすことによって充実した人生を送ることができるのである。 「内なる1日に全力を注ぎ混んでしまっては8時間の労働に影響が出るのではないか」と思うだろうが、これはない。 むしろ能率は確実に上がると言っていい。 必要な睡眠を除いて、知的な能力は耐えざる労働を耐えることができる。手足のように疲れることはない。
週3回の夜90分が、あなたの心を豊にする。
毎日仕事でくたくただから、帰ってから酒でも飲みながら動画を見ていたら、もう寝る時間か。 今日もやりたいことができなかった。でも疲れているから仕方がない。
本当にそうか? 仕事終わりに、趣味を行う時や、友人と会う約束がある時も同じように、感じるだろうか。 そう、本当は疲れてなどいないのだ。 この事実を受け止めることで、夜の時間を確保することができる。 ただ、夜の時間を全て「知的エネルギーを使い果たすようなことに使え」というはわけではない。 週3回かつ、半分の時間を有意義になるような時間に使ってはどうだろうか。 この時間は友人との約束のように最優先で確保しなければならない。
毎朝の30分が奇跡を起こす。
やることが何であれ、どれくらい些細なことであれ、やったことには変わりはない。 何かをやり続ける。つまり「習慣を変える」こと
小さな一歩からでないと習慣は変わらない
変化というのはそれが改善のためであっても、必ず不便や不快感を伴う。 今の生活を続けたまま、習慣を変えようとするのは不可能である。 習慣を変えるということは何かしらの犠牲と、強固ないしが必要である。 習慣を変える時に、あまり大きなことを公言せずにさりげなく始めること。 3ヶ月続けることができてから、盛大に公言すれば良い。
充実人生を送るための第一条件
思考をコントロールする。自身の思考はコントロールすることができる。 頭の動きをコントロールすることが充実した生活をする第一条件
どうやるのか。 1日の初めに頭の働き具合を試してみる。 「家を出たら一つのことに思考を集中する」 いろいろなことに気を取られるだろうが、何度でもやり続ける。 辛抱強く続けることで必ずできるようになる。
集中力を高める練習を規則的にやることで、自身の思考をいかなる場所でも、思いのままに支配できるようになる どのようなことを考えれば良いか。 自身の生活信条と実際の行動の関係など、本当に大切な問題について見つめ直す。 幸福とは肉体的、精神的な快楽を得ることだけではなく、自分の生活信条に叶った生き方をするということだ。 自分の生活信条と一致していない人生というのは無意味な人生ということだ。
時間の価値を知ったあなたに待ち受けている危険
ここまでのことを知ったあなたは、1つのことを注意しなければならない。 それは、物知り顔の人間になないことだ。 時間を無駄にせず活用しようとする時に、肝の命じて置くことは、 活用するのは「自分の時間」だけであって、他人の時間ではないということだ。 さらにいうなら自分のしていることなど、あまり大袈裟に他人に話すことなどしない方が良い。 大多数に人間は本当に充実した人生を送ってなどいない。しかし、その事実を大声で言い立ててもどうしようもないのだ。 所詮、人はそれぞれ自分で自分の人生について真剣に考えない限り、本来なし得ることもなし得ないのである。
計画の奴隷にならない
自分で計画したことに奴隷のように縛られてはならないのである。 計画したことは尊重しなければならないが、信仰の対象にしてはならない。 計画は計画にすぎないということを心得る必要がある。
また、欲張った計画を立ててはいけない。 欲張って計画を立てすぎて、次の計画が気になって落ち着いて何かに取り組めなくなってしまう。 自分に余裕がないと感じる時は計画の立て直しが唯一の解決策である。
向上の目を大切に育てる
計画の出だしでつまずかないことに注意する必要がある。 せっかく何かについて学ぼうとする向上の芽も一人前の若木に成長する前に枯れてしまう危険性がある。 そうならないように向上の芽にあまり負荷をかけすぎてはならない。 初めは馬鹿らしいくらいゆっくりたペースで行うこと。 しかし、できる限り規則的にそれを続けること。
終わりに
私がこの本を手に取ったきっかけは、自分について見つめ直したいと考えていたからだ。 生活が変わり、節目の歳を迎えて、漠然とこのままの生活を続けていて良いのか。 何か変化をしなければならないのではないかと焦っていた。 本書から、この焦りは誰でも持っている物であり、自身の幸福とはどういうことか。 それを達成するための方法など、ページ数が少ないながらも大変共感できる内容だった。 私の中に芽生えた向上の芽を枯らさないように大切に育てたいと思う。